活版印刷 der Handdruck

2011年4月 4日 (月)

ポルトガルの活版みやげ

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先日スペインとポルトガルに行っていた友達が帰国しました。おみやげに、ポルトガルの蚤の市で見つけた冊子とポストカードをいただきました。どちらも活版。活字を使っているのもちゃんとわかります。カードの写真は活版ではなく、文字の部分のみ活字。冊子のほうは、どうやら台本のようです。こちらも中はすべて活字。何が書いてあるかはわかりませんが(笑)

素敵なおみやげありがとう!!!

今まで使っていたコンパクトデジカメが電池寿命でどうも使えない。いまはPHSについている今時ない小さな画素数のカメラで撮ってます。ちなみに、携帯を変えたわけでなく、仕事用に追加で持ちました。地震のときにすぐ繋がったのですが、秋田在住の方は繋がりにくかったそうです。エリアで違うのですね。そういえば、緊急地震速報が携帯で鳴ったり、#を押し続けると音が鳴るとか聞きますが、私が持っている携帯は古すぎて、PHSは新しくても、その機能はなかったりします。

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2010年6月23日 (水)

女性のための活版対策

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毎日むしむし、湿気がスゴイですね。
アトリエもデザイン室も除湿器が毎日働いております。

さて、今回は女性向け、実作業する方向けのお話しです。
仕事として、趣味として、活版を楽しむ方が多くなってきたこの頃。とってもうれしいですね。活版というと昔は、暗くて汚れて細かくて〜なんて言われる所もありますが、それは人や場所が違えば変わってきたりもします。キレイな印刷所も沢山あります。何年かやってきて、気になったことなどちょっと書いてみます。

まず、について。これは絶対汚れます。インクは普通の石けんでは落ちませんので、印刷所などでは粉の専用石けんを使います。しかしこれ、手が荒れる!!!敏感肌の私はまずボロボロになりました。しかも指紋の間に入ったのとか、あまり落ちないんですよホントに。

これは2年前くらいにもこのブログに書きましたが、「メイク落とし」がお薦めです。ワークショップにいらした方は使ったと思いますが、当アトリエは拭き取るタイプのメイク落としシートを使ってます。作業中、手がよごれてもちょっと拭いて、紙にはつかないようにするときも楽です。何より、顔用ですからね。安心です。マスカラ、アイライナーなどは、インクに匹敵するんでしょうね。。。お試しあれ。

そしてマニキュアはインクを洗ったりしてたら取れてしまったりします。「活版するのにマニキュアだぁ?」と思われる方もいるかもしれませんが、やっぱりオシャレしたいってのもあると思いますよ。だって女ですもの。お客様と会った時などは、手入れしとけば良かった、と思うときありますし。

落ちないのは、ジェルネイル。これは本当に楽でした。
付けてる圧迫感もない、塗った後もすぐに触れる、ぶつけても取れない、洗い油ついても取れない!と良いことづくめのようですが、ジェルネイルはとってもお値段が。。。続けるには厳しかったり。定期的にサロンに通わなければいけないですし、自分で取れないし、爪を伸ばせない私にはちょっと大変でした。(小さい頃から爪は伸ばしたことがないので、ちょっとでも伸びると精神的にダメでして)爪は伸ばさなくとも、お手入れしてたまにネイルしたりするのが、一番かもしれないですね。余談ですが、レディー・ガガもピアノを弾くので、派手なファッションでネイルもしますが、絶対爪を伸ばしてないです。(PVでは付け爪してますけど)

その他、について。
これは今年になって気づきました。
首にくっきりクセのような跡じわがついていて、最初は老化かと驚いたのですが、それにしては付き方が変。考えてみたら、活版って下向いて組みますよね。これが時間が長いと何と首に跡がつく!もちろん人にもよると思いますが、私は一日やるとわかりやすいぐらいクッキリでます。作業しない日とは全く違ので、作業の夜は首もちょっと気にしてマッサージしたり。作業する方は少し気にしてみてください。

グラフィックも活版も籠もって作業するのは一緒なので、籠もる時間が長い後、急いで都心など出ると「しまった!」と思うことがよくあります。少し前に、殆ど近場しか動かず久々に銀座に出たら、周りがキラキラ眩しく見えました(笑)気にして行くようにしたいです。また気づいた事を書けたらと思います。その他、「私はこうしてる!」なんて情報交換出来たら嬉しいです。

LUFTKATZE www.luftkatze.com

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2010年5月18日 (火)

清水金之助さん もの語り

5月15日・日曜版の「もの語り」に、清水金之助さんが掲載されています。
相変わらず素敵な笑顔で写ってらっしゃいます。
掲載前に告知ができなかったのですが、
是非機会があれば、図書館などなどでご覧下さいませ。
ルフトカッツェのアトリエにももちろん置いておきます。

追伸:清水さんとお電話の時、必ず「夜中の一時まで彫ってるからね!!」って仰ってることが書かれていました。私もいつも「お願いですから寝てください」と言ってます。。。

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2009年12月17日 (木)

2010年賀状

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12月も後半になりましたが、年賀状も販売しております。

3種、それぞれ活版で違った特徴のものになっています。→詳しくはつづきを

続きを読む "2010年賀状"

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2008年6月11日 (水)

産業廃棄物

活字のことについてです。
先日とある活字屋さんとお話していたら「活字は産業廃棄物なのだから、万が一の事があったら大変なことになる」とおっしゃっていました。(私は産業廃棄物関連の資格を持っているわけでもなく、とても詳しいわけでもないので、簡単に触れることにします。)
活字の成分は、を中心にアンチモン錫(スズ)との合金。この配合率は会社、国など場所が変われば変わります。鉛は比較的柔らかいので、錫で強化し、アンチモンで輝きを足します。こういった金属は単体でも毒性があったり、温度の変化などで結晶構造が代わり毒性が出たりするそうです。なので一般ゴミには出せず、産業廃棄物に指定されています。
先日、凸凹フェスタで手鋳込みの活字を作るとき、鍋でメツ活字(使用後使わなくなった活字)を溶かして使っていました。その匂いが「いいですね〜」と言ったら「あまり吸わないようにしてください」と言われたのは、この成分のためなのですね。

さて今回書こうと思ったのは、活字屋さんから「一般の家庭でもし活字が捨てられたら、責任はどこに来ると思う?」と言われたことでした。それは製造元になるので、一般の方には売りたくないという気持ちがでるのも理解できることでしょう。活版をこれから楽しむ私たちは、そういったことも知ってないといけないということですね。忘れずにもう一度、「活字は家庭ゴミでは出せません!」

しかし知っていればリサイクルして使えるものなのです。一般の活字屋さんはメツ活字では汚れやカスが多く、釜をすぐ洗わなければいけないので、業者に再処理をお願いして綺麗なインゴッドにしてもらってまた使います。朗文堂さん築地活字さんではメツ活字は送って下さいとWebでも伝えていますし、いらなくなったら近くの活字屋さんに相談に行くのもいいと思います。ルフトカッツェもこちらでお売りした「花形便箋」などにつく活字などに関しては、いらなくなったら送って下さいとお伝えしております。なので、それをどこかに覚えておいてください。

活字ではないですが、インクなどを落とす洗い油も活版屋さんで使われているモノは第4類第2石油類に分類され、「乙種第4類危険物取扱」の免許が必要とされています。以前朗文堂さんに相談した時に、ユーザーの方に「版画用溶剤」を薦められているとお聞きして、私も3月の展示会では会場が飲食にも使われるアトリエでもあり、免許もありませんので植物性の溶剤を使いました。匂いがオレンジ系の食器洗い洗剤のようでしたが、使い勝手はかわりませんでした。

といった、危険物が道具に含まれる活版印刷ですが正しく扱えばいいことなので、作るために持っている人も、インテリアとして持っている人も、覚えておいて楽しんでいきましょう。

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2008年2月22日 (金)

締め切り間近

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「活版印刷を知る勉強会」に沢山のお申し込みありがとうございます。お陰様で定員まであと一歩となりました。数人ではございますが追加でお受けする予定です。その後はキャンセル待ちを5人ほどお受けする予定ですので、お早めにお申し込みください。

今回の人数からしてお話は全員で聞いていただけますが、実演に関しては一度に皆さんに見て頂くことができません。清水さんはお一人ですし、手元での細かな作業ですので、囲めるのは15人ほどになります。そのため、ご心配な方もいらっしゃると思いますので、当日の予定を少しお話しますと、手元はテレビで映すつもりです。スクリーンなど大きくできれば良かったのですが会場の関係上、家庭用テレビへの出力となります。
ご覧頂くときは時間をきめてグループに分け、順番に見ていただくことになります。実演を見る以外にも、道具に触れて頂いたり、他の工程についての資料を見ていただくなど計画中です。また、活版工房の時もそうですが、皆さまの交流の場としてもご活用いただければと思います。
スタッフも良い会になるよう準備を進めておりますので、なにとぞよろしくお願い致します。

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活版印刷を知る勉強会 
活字彫刻の世界 〜文字の原点〜 


活字を知る原点として、彫刻師として何万もの文字を彫られてきた清水金之助さんをお迎えし、実演を交えながらお話を伺います。ぜひ、貴重な技を直にご覧下さい。

■日時:2008年3月8日(土) 13時15分開演

■会場:東京都中央区 明石町区民館 6、7号室

お申し込みなど詳しくはコチラをご覧下さい。

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2008年1月16日 (水)

凹み?かすれ?

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からふね屋さんのブログ、印刷見聞録に昨年末、「凹んでいるのが活版印刷!?」という記事が掲載されていました。この事については、自分ではどこかで書いたとばっかり思ってましたら、どうやら書いてないので今回に。

この題名通り「凹んでるのが活版印刷」と思っている方も多いのでは??

凹んでいるのが活版印刷の一番の特徴ではありません。凹みは押して印刷するため、出来てしまう副産物。本来タブーではありますが、私も凹みが欲しいときがあり、そういった効果を狙うときもあります。活版印刷は凹みを作るための印刷ではなく、ただ凹みが欲しい場合は「箔押し」があります。

現在プロとして長年携わってらっしゃる職人さんは、凹みがなく・ムラなく、はっきりとした印刷が美しいと叩き込まれています。これは実際にやってみるといかに難しいことなのか解ります。紙は性質によっては押して印刷されるのですから、凹みができることもある。そして弱くすればかすれなどのムラができる。それを一つ一つ、後ろで紙を貼ったりなどの細かな調整と丁度良い印圧を探し、時間をかけて印刷されるのです。だから凹みやカスレを注文され、心の葛藤と戦いながら印刷を受けている方が多いのです。今までは一番適する紙として、多くの方が「上質紙」や「アート紙」という一般的な紙のみを使っていた印刷所も少なくありません。それが一気に色々な紙が舞い込むようになったので、混乱していることもあり、職人さんたちも新たな取り組みをしている状態なのではないでしょうか。

単にそういう規則だったわけでなく、もちろんいくつか理由があります。活字は直鋳造でもなければ解版してまた使います。活字の硬質はそんなに固くなく、組んでる途中にピンセットを表面にひっかけたり、落としたりすればキズがつくのです。なので印圧の強さに耐えれる限度があります。

「だったら版が固ければ良いのですか?また版が潰れてもこちらが責任持てればいいのですか?」と質問されたことがあります。残念ながら版だけの問題でなく、印刷機の方の部品も傷ませることとなります。これは日本も海外も同じで、私も海外の印刷物が凹みが多く感じ、「日本と違うのかな?」と思ったことがありましたが、それは木版のように大きな版をしっかりと印刷するためには、それだけ力を加えなければならないため、結果凹みが出るくらい力が必要というだけでした。

ちなみに私もドイツで小さな文字のとき、大きな活字と同じくらいの圧強めで印刷していたら、そりゃぁこっぴどく怒られました。「印刷機も活字も壊す気か〜〜!!わかってるのか〜!!」と。

他、両面印刷で反対側がデコボコしていたら読みづらいですからなどもあります。現在の主流である、オフセット印刷との違いはどこ?と言われたら、印刷のインクがまず違います。化学反応で印刷されるものと、直接版を押しつける活版印刷では、黒の濃度や、くっきりと印刷されるところなど、違います。(この凹みができたりするのはその時々での状況や、版に凸版が混ざったりなど色々あるので、今回は一般的な理由を書いています。)

Dsc_0033 でも、凹みやかすれが欲しい時はありますよね。私も凹みがある方がいいときもあり、そういった作品も作っています。インクを載せず、空押しをすることもできます。そういうときは、柔らかい紙を探しましょう。探すとき、見本の紙にちょっと押してみて下さい(あくまで見本で)。もしそれで凹みがつかないようなら、活版印刷でもあまり凹みが出来ないですし、印刷にも負荷がかかってしまうので不向きな紙となります。後がつきやすいなら、凹みはできやすいです。ただそういう紙は当然他の取り扱いでも弱い部分があるので、注意してください。

かすれは、いかにもインクのノリの悪い紙であればいいという考えもあります。表面にテクスチャーがあったりすれば、カスレも出てきます。ただし、偶然にできるカスレを楽しむことになると思います。サンプルを持って印刷屋さんに相談しましょう。(上の写真のコースターはフワっとした柔らかい和紙なので、圧が弱くても凹みができます。また、栞は色々な紙を試し、やや堅めの紙から柔らかい物 まで、凹みがあったりなかったりです。ストライプのテクスチャの入った「NTストライプ(クリーム)」と「STカバー(真紅)」は前者はやや固くカスレも 出てますが凹みは殆どなし、後者は紙も薄く色のりも良いので、しっかりと印刷されていますが、薄い紙なので、凹みは少ないです)

そしてダメそうなのを無理にお願いしないこと。最初にも書いたように全てがダメなのではなく、こちらも理解した上で職人さんと話し合い、歩み寄って良いものが出来ていければと思います。今や大型機械などは、壊れたら部品がないという機械が殆どなので、負荷をかけすぎれば寿命が短くなる。皆で大切にしていきたいですね。

私が以前見た中での究極に美しい印刷は、今田さんがお仕事で刷られていた物(個人物なので公開はできませんが)。A5ほどの大きさのカードで、手きんで刷られたというのにムラひとつなく、そして厚紙なのに凹みもない。あそこまで行くのには何年かかるだろう。と道のりは長いな、と感じてしまいます。

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