鉛活字の文字
今日もとても天気の良い一日で、少し暖かかった気がします。
寒がりなもので、毎日行動範囲が狭まりそうなのを気を付けて過ごしています。
先日、「この鉛をご自身で彫っているのですか?」という質問を何度か受けました。
初めて活版を見ると、そう思ってしまうのが普通かもしれません。
今はパソコンで文字も作れてしまいますから。もちろん彫っていません。(というか彫れません)
活字はかつて鉛に直接逆字で彫る「直彫り師」が活字の元となる「母型」の更に元を彫って文字を作っていました。これは厳しい修行の末、5年くらししてやっと文字が彫れるようになる技術です。私も数度彫らせて頂いたことがあるのですが、12倍のルーペで除きながら彫刻刀で彫るのはなんて難しい!!と、ほとんど何処を彫っているか解らなくなりました。それがルビの大きさまで人の手で彫られていたのです。もちろん人の手によるものですから、誤差があり、それをチェックする人がいました。
1950〜1960年代に「ベントン彫刻機」という彫る機械が普及してからは、彫り師は必要なくなってしまいました。その後は彫り師がつくったものを元にしたり、方眼紙で一つ一つデザイナーチームが朝から晩まで文字を設計していました。イワタさんの高内さんなどがそれに携わっていました。
その後は写植(写真を撮ったネガをフィルムや印画紙に印字して製版する技術)に移り、あっという間にDTPの時代に。
こうやって活版を知れば知るほど奥が深くて、しかも清水さんのように長年の修行を経て、一つ一つ人の手によって作られていた文字を考えると、今、パソコン内のものが「本当の文字ではない」と言われても仕方ないと思います。重みが違いすぎますし、パソコンの文字は大きさごとに調整は殆どされていません。
もちろん、現在でも書体デザイナーという専門の方々がいらっしゃるので、その方々は一つ一つ設計している新たな文字は、やっぱり「文字」だと思います。
グラフィックデザインは以前「図案」と呼ばれ、コピーは「文案」と言われました。
私はデザイナーなので、活版でも活字を使って「図案」を考えています。
もちろん、イラストなどは凸版を使いますが、組版技術を使っての活字を大切にしていきたいと思います。でも来年は、版画にも挑戦したいとも思ったり、、、そこまでできるでしょうか?



























