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2007年7月29日 (日)

銀河鉄道の夜

Ginga__1 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。
主人公ジョバンニが、友人カンパネルラと列車に乗り銀河を旅する話です。言わずと知れたこの名作で、主人公が活版所で働くシーンがあります。

私も活版印刷を説明するときに
「ジョバンニが働いていたのが活版印刷所で、拾っていたのが活字です。」と言うとことも多く、そうこうしているうちにアニメのBGMが頭に蘇ってきて、久々に見ることにしました。
1985年作のこのアニメは、猫で描かれている不思議な世界(原作は猫ではありません)。構成もよく、独特の色使いで細部まで書かれた絵と、細野晴臣さんのBGMがまた心に残ります。小さい頃、印象的なこの音楽の楽譜を探してピアノで弾いたものです。




ジョバンニは、一枚の紙切れを「これだけ拾っていけるかね?」と渡されて冷たい大人たちに囲まれつつも、黙々と活字を拾います。
「文選」の仕事をしていたのですね。
小説からすると拾っているのは「ルビ」のようですが、映画では猫なのでそこまでは描写されていません。目をこすりながら、だんだん活字を拾っていくのです。
活字を拾い終わって、文選箱と紙を係の人に渡すシーンでは、つい「そんな渡し方したら活字が倒れてしまう!」など余計なことを、今では考えつつ見てしまいました。

宮沢賢治がこの作品を書き始めた1924年は、活版印刷が中心の時代で、イギリスで乾式平版法が、スイスで多色グラビア製版法が考案され、日本では写真植字機が発明されました。
参考にした印刷所は山口北州印刷とも言われています。宮沢賢治が詩集を印刷するため、活字をとりに何度も足を運んだ印刷所です。

このお話は宮沢賢治の妹の死から書いた作品で、何度も書き直し未完のまま作者はこの世を去りました。宮沢賢治の思いが込められとても奥深い内容であり、一度是非とお薦めしたい作品です。


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