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2007年6月23日 (土)

散歩8 活字地金彫刻師・清水さん-1

5月26日、活字研究会の高内さんのご厚意により、
大田文化の森で活字地金彫刻師「清水金之助」さんの実演会が催されました。

Dscn5896_4 会場の部屋に入って角の隅に、清水さんが作業できるよう机と道具がセッティングされて座ってらっしゃいました。愛用されている机、刃、ルーペなどなど。
周りに人が集まり実演会が始まりました。






清水さんが彫っているものは、電胎母系(ガラ母型)の種となるもの。

母型を作るための種字を活字合金に逆文字を直接小刃で彫っていくのを「地金彫刻」と言います。彫られた物から母型ができるのは5回くらいまでだそうです。その母型からは何万もの活字が生まれて行きます。

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今で彫られて活字が置かれている。字面の光沢が命なのです。


清水さんは2004年に活字研究会の依頼で約40年ぶりに活字を彫りました。その時にはとても出来ないのでは、と思ったのが「身体が覚えていてね、指が動いて彫れたんですよ」と。

始めに初号の「金」の文字を彫りはじめました。
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下書きはありません。14倍のルーペをのぞき込み、デバイダーという直角定規で垂直水平の当たりをとって始めます。文字を書くように彫るのではなく、上下左右のバランスなどを見ながら彫っていきます。
俊敏に動く指先に、目が離せなくなって圧倒されてしまいます。
高内さんが「さて、これと同じに彫れるでしょうか」と活字を出してきました。
プレッシャーになるんでは??とこちらがドキドキ。

Dscn5908_2 活字と母型。
これを作るための元を今彫っているのです。活字合金は人の手で彫られてるから普通の活字よりやわらかいのかと思ったのですが、実は地金彫刻の活字の方が堅くできているのです。ゆえに大きい活字ほど力がいります。







「どんどん質問下さい」と清水さんはおっしゃいました。
彫っている時に話しかけて良いものか、とも思いますが、折角なので思いついたときには質問しました。でもこの素晴らしい伝統が紡ぎ出される指先に神経が集中して、つい質問するのも忘れてしまいます。


Dscn5901_1 
とても笑顔が素敵な清水さん。
一つ一つ丁寧に質問に答えてくださいました。








Dscn5914_1活字を彫った後にはそれをチェックする人がいます。ベースラインや形が他の活字と統一されているかなど、検査をクリアできなければ世に出ることはありません。清水さんは一人前になってから失敗はないそうです。スゴイ。

当時検査を担当されていた方が、どこをチェックするかと説明してくださいます。



粗彫りが終わったところ。当時は文字の形を作るこの大事な工程までを師匠が、その後の不要な所を削り、彫り下げていくのを弟子が行っていったそうです。
「あまり出来がよくない、この人が一番わかってるよ」と清水さんは元検査官の方を見て笑ってました。

Dscn5929_1

文字の周りを彫っているところ。この高さを彫るのは相当力がいるそうです。清水さんも師匠になってからやっていないので、少し彫っていきましたが「ここまでで」と。

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